中小企業をイメージアップさせる企画を考えてください-東京税理士会-

今回、課題解決プロジェクトへの参加を表明してくださったのは、国家資格の一つである税理士のみなさんが数多く登録している東京税理士会。税務業務のプロフェッショナルであると同時に、中小企業の経営パートナーも務めることが多い税理士という立場から、興味深いテーマを出題してくださいました。そこで東京税理士会の広報部委員を務める増田さん、柴崎さんにご登場いただき、出題の背景に加え、税理士の仕事内容や今後の可能性などについても詳しくお話しいただきました。

【お話をしてくれた方】
増田 和弘さん/増田税務会計事務所(写真右)
民間企業でセールスエンジニア職として16年間働き、2011年から税理士に転身。得意分野は建築業界や不動産業界。現在は自身の税理士業務に加え、東京税理士会の広報部で委員として活動している。
柴崎 貴子さん/柴崎会計事務所(写真左)
大学卒業後、大手メーカーで働いた後、一度、専業主婦に。その後、再就職を機に社会保険労務士、税理士の資格を取得し、会計事務所に勤務後、独立。幅広い業界のお客様の顧問をしている。また、増田さんと同じく東京税理士会の広報部委員を務める。

税法のプロであり、経営者の良き相談パートナー。

――今回の出題背景をお伺いする前に、まずは東京税理士会についてお聞きしてもよろしいですか?

増田さん:東京税理士会は、都内に税理士事務所を置く約2万3500名の税理士会員と、約1700社の税理士法人を擁し、全国に設立されている15の税理士会の中で最も大きな税理士会です。より多くの方々が税理士をもっと身近なパートナーとしてご活用いただけるよう、税理士の役割や税理士会の活動を紹介するとともに、税金の知識など豊富な情報も提供しています。

柴崎さん:私自身は広報担当として、小・中学生を対象とした租税教室で講師を務めたりもしているんですよ。また、東京税理士会では所属する税理士の方々のスキルアップのための研修なども定期的に行っています。

――なるほど。ちなみに、学生のみなさんの中には、税理士という資格は知っていても、その業務内容までは正しく理解していない方もいらっしゃると思います。改めて、教えていただいてもよろしいですか?

増田さん:はい。税理士会に登録している税理士だけができる業務というのが3つありまして、1つ目が税務代理業務。税務署などに対して税法などに基づく申告・申請など税務調査や処分に対して納税者の代理・代行を行うことができます。2つ目が、税務書類の作成で、確定申告書などの税務書類を専門家としての判断に基づいて作成します。学生のみなさんもこの2つの業務は比較的イメージしやすいのではないでしょうか。

柴崎さん:ここで少し付け加えておくと、税理士と聞くと「税金のプロ=数字のプロ」のような印象を持つ方もいらっしゃるかもしれませんが、私たちの仕事はすべて租税法という法律に則って行うもの。TAX ROYAER(税務の法律家)とも呼ばれるように「税法のプロ」なのです。

増田さん:そうですね。租税法をしっかり理解し、納税者に正しく申告し、税金を納めてもらう社会的な役割を担っています。そして、税理士の業務の3つ目が税務相談。それぞれの納税者からの具体的な質問や相談に回答し、アドバイスを与えることができるんです。

柴崎さん:しかも、この質問や相談内容の幅がとても広いことも、税理士という仕事の大きな特徴だと思います。個人であれば、不動産の購入や相続に関するご相談を受けることもありますし、法人の場合は会社の設立から社員の採用、事業継承まで、実に様々なご質問やご相談があります。

増田さん:納税者の申告は毎年する必要がありますし、私たち税理士は税務書類の作成などを通して日々のお金や経営の流れも把握しています。中小企業の経営者の中には、担当している税理士のことを家族以上に自分をさらけだしているような存在と思っている方もいるのではないでしょうか(笑)。

――そうなのですね。ここまで聞いただけでも、税理士のイメージが少し変わりました。それほど中小企業の経営者にとっては身近な存在なのですね。

税理士の醍醐味の一つは、企業を育てること。

――では改めて、今回の出題テーマを「中小企業をイメージアップさせる企画を考えてください」とした背景について教えていただいてもよろしいですか?

増田さん:先ほど、私たちは会社の設立から社員の採用、事業継承まで幅広く関わるとお話ししましたが、税理士の仕事の醍醐味の一つに“企業を育てる”という面白さがあります。最初は数人で始めた会社が徐々に業績を伸ばし、事業や組織が大きくなっていく様子を間近で見ることができるのは税理士の大きな楽しみです。

柴崎さん:そうですね。また中小企業と一口に言っても、創業したばかりのベンチャー企業のような会社もありますし、代々一族で経営しているような歴史ある会社もありますが、それぞれの企業ならではの課題があり、サポートする側としてのやりがいもあります。

増田さん:ここでちょっと、学生のみなさんに基礎知識として説明しておくと、従業員規模300人以下あるいは100人以下の企業を中小企業と呼ぶのですが、日本全体の企業のうち、中小企業の占める割合は99.7%。全従業員数の70%の方々が中小企業に勤務されているというデータがあります。しかも、付加価値額で見ても53%と日本のGDPの半数以上を中小企業の事業価値が占めているのです。にも関わらず、「中小企業」と聞くと、それだけで就職活動の選択肢に入りづらくなったり、あるいはせっかく良い製品、良いサービスを持っていたとしても日の目を見る機会が少なかったり。日頃、私たちは中小企業の良い仕事をたくさん見ているだけに、とてももどかしい気持ちになるのです。

柴崎さん:
そこで今回は、そうした中小企業の魅力を広めるアイデアを学生のみなさんの柔軟な頭で考えてもらえないだろうかとこの企画(テーマ)にしました。

中小企業の強みや問題を調べることもヒントに。

――税務のプロであると同時に、経営のサポート役でもある税理士さんならではの出題ですね。ところで、お二人が担当する中小企業の中にも魅力的な会社は多いのですか?

増田さん:もちろんです。たとえば、担当している会社の一つに測量会社があるのですが、その会社が行う測量は特殊な測量で、日本でもその会社を含めて2、3社しか請け負うことができません。国からの依頼も受けるような立派な技術を持つ会社なのですが、知名度の低さから採用活動は苦戦しています。今回の課題解決プロジェクトでは、こうした中小企業の良い仕事にもっと若者からの注目が集まるようなプロモーションのアイデアなどもあるとうれしいですね。

柴崎さん:私のクライアントで言えば、造園業からスポーツイベントの企画業に華麗に転身した面白い中小企業がありましたね。こうした会社としての身軽さやスピード感は大手企業にはない魅力ですよね。こういった大手企業との違いを伝えるアイデアもあるといいですね。

増田さん:たしかに。私の得意分野である建築業界は中小企業の技術なくして建物は建ちません。全体の管理は大手ゼネコン企業が行いますが、現場で専門的な技術を駆使しているのは、ほぼ中小企業の方々。技術に関しては決して、中でも小でもないのです。

柴崎さん:そういう意味では、そもそも会社の規模だけで比較した「中小企業」という名前から提案するようなアイデアがあっても面白いですね。

――お二人のお話をお聞きしていると、中小企業の強みを調べることも大きなヒントになりそうですね。

柴崎さん:そうですね。あとは、中小企業の抱える問題に注目するのも良いかもしれません。たとえば、長く続く中小企業の中には、技術力も実績もあるのに後継者が育てられず、事業を継続できない会社もあります。こうした問題を解決することで、中小企業全体を盛り上げるようなアイデアが生まれることもあるかもしれませんね。

これから税理士を目指す人はチャンスが多い。

―なるほど。今回の課題は様々な方向から取り組めそうなテーマですね。では最後に学生のみなさんへメッセージをお願いします。

増田さん:今回、東京税理士会では、私たちの主なクライアントである中小企業のイメージアップをお願いしましたが、学生のみなさんにはこのテーマへの取組みを通して税理士という仕事にも興味を持っていただけたらと思っています。というのも現在、税理士業界では高齢化が進み、税理士の平均年齢も年々高くなっています。企業が最新のITやAIを取り入れていく一方、そうした時代の流れに対応できない税理士がいるのも実情です。しかし、この状況はこれから税理士になる若い人にとっては大きなチャンス。先輩税理士を横目に、新しいやり方で若いうちから顧客を獲得していくことも可能だと思います。

柴崎さん:本当に、そう思いますね。さらに、ベンチャー企業を設立する社長は20代から30代が中心です。そうした若い社長は経営のパートナーである税理士も同世代を好みます。つまり、これから税理士を目指せば、自分もクライアント先の会社も一緒に成長していける醍醐味を味わうことができるのです。

増田さん:また、税理士は税務業務だけに従事する必要はありません。たとえば、税理士としてのネットワークや事業継承のノウハウを勉強して、企業同士のマッチングアプリを開発したっていい。もっと自由な発想で、税理士の仕事の枠を広げていっても面白いかもしれません。

柴崎さん:話が少し脱線してしまいましたが、今回の課題解決プロジェクトへの取組みが、中小企業や税理士、そして、みなさん自身の新しい可能性を広げるものになれたら幸いです。

増田さん:税理士の仕事と同様に何でもありです(笑)。若い人ならではの発想で楽しみながら取り組んでみてください。

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